施設児童の不安


高校卒業児童全体で見た進路は7割以上が進学ですが児童養護施設退所者に限ると3割弱に減ってしまいます。
進学がいいか就職がいいかは別として施設退所児童は経済的な溜めが無いために自分のやりたいことを一旦諦めなければならない実情があるようです。
それは『親のサポートが期待できない』ということであり(※1、2)《経済的貧困》に加え長年施設という狭いコミュニティで育ったために《人間関係の貧困》も重なり彼らは常に崖っぷちです。
これは進学した子も就職した子も同じです。

更に虐待など成育環境に恵まれずに育った彼らには
@社会性の欠如
A精神疾患
B発達・知的障害
C自己肯定感の低さ
といったネガティブな要素も存在します。
 
進学した場合、生活費を稼ぐために無理なシフトでバイトして学業との両立が難しく退学や留年することがあります。
就職しても人間関係が苦手だったり精神・発達上の問題から続かずに退職・解雇に追い込まれることも少なくありません。(※3,4)

そして生きていくために気力のある子どもは反社会組織や性産業に取込まれ、気力の薄い子どもはネットカフェ難民などのホームレス状態になったり自ら命を絶ってしまうこともあります。
反社会組織や性産業に取込まれても生活状態が改善するのは業界から需要のある一部の子のみ。しかしこれら裏社会は表社会が補えていない住居や食事、安心感を捕捉しているために彼らは結局この世界から抜け出せなくなってしまいます。
結果的にこうした状態は子ども達の将来に《貧困の連鎖》をもたらすことになります。

退所児童たちにはこうした不安に苛まれています。

彼らがこうした世界へ入らずに未来を夢見ていけるためには表社会の大人たちが立ち上がることが欠かせません。

※1帰れる実家があるか?の問いに児童養護施設退所児童の52%が「ない」と答えている。
※2退所後困った時に親に相談できるか?の問いに55%が「ない」と答えている。
※3進学した者のうち退所後3ヶ月で10%以上が退学・休学である
※4就職した者のうち退所後3ヶ月で13.3%が離職転職している。

(Bridge For Smile 2014年調査による)



退所後に起きうる状況【図式】